文字の大きさ

配色

予防接種について

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹を予防するワクチンについて

水痘・帯状疱疹ウイルスは小児期に「みずぼうそう」を引き起こすウイルスです。「みずぼうそう」が治った後も水痘・帯状疱疹ウイルスは体内の神経に潜んでおり、加齢や免疫力低下によりウイルスが再活性化してしまう事があります。その結果、潜んでいた神経周囲の皮膚に「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」を発症します。帯状疱疹は80歳までに約3人に1人が経験すると推測されています。

ワクチン イメージ

帯状疱疹は皮膚のピリピリ・チクチクとした痛みを伴う赤い斑点・小さな水ぶくれが神経に沿って出現する病気です。皮膚病変に先駆けて痛みが出ることがあり、発症初期は診断が難しいことがあります。抗ウイルス薬で治療が可能ですが、皮膚病変が治った後も痛みがなかなか改善しないことがあります。帯状疱疹を発症した約2割の患者様は、この「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる痛みに数か月~数年単位で悩まされます。また、皮膚病変の出現部位によっては、眼周囲の帯状疱疹から角膜炎を起こして視力低下・失明の恐れが生じたり、耳周囲の帯状疱疹から顔面神経麻痺・難聴・めまい(Ramsey-Hunt症候群と言います)が生じたりすることがあります。

帯状疱疹にはワクチンが有効です。現在本邦では2種類のワクチンが使用できますが、当院ではシングリックス®というワクチンの接種をお勧めしています。有効性が非常に高く、生ワクチンではありませんのでステロイドや免疫抑制剤を使用している患者様にも使用が可能です。デメリットとしては、やや高価であること、筋肉注射なので既存の水痘ワクチンよりやや疼痛があること、免疫を強く誘導するため注射後の疼痛や発赤・腫脹もやや多いこと、などが挙げられます。現在のところ、臨床研究のデータから接種後4年までの有効性が約90%以上と、高い予防効果が明らかになっています。帯状疱疹発症抑制の効果は7年間持続するところまで分かっています。免疫応答のレベルでは9年間の持続効果が明らかになっており、予測では15年間は持続するだろうと報告されています。今後、より長期の経過観察で、はっきりとした予防効果が報告されてくることでしょう。

帯状疱疹に罹患された後は、しばらく帯状疱疹ウイルスに対する免疫が強化されますが、この効果がいつまで続くかは不明です。明確な基準はありませんが、帯状疱疹罹患後1年経てば、ワクチン接種のメリットがあるだろう、とする専門家の意見があります。

シングリックス®の接種をご希望の方はお電話にてご予約を承っております。
2種類のワクチンのうち、どちらの接種を行うべきか悩まれている方は、一度内科外来へ受診し医師とご相談ください。

※ 内科受診で一度医師と相談ご希望の場合、相談のうえ接種するワクチンを決めて後日接種を行うことになります。受診当日に接種は出来ませんのでご注意ください。

2種類のワクチンの比較
  シングリックス® 水痘ワクチン
ワクチンの種類 不活化ワクチン
(免疫抑制状態でも接種可)
生ワクチン
(免疫抑制状態では接種不可)
接種回数・方法 2ヶ月間隔をあけて2回
筋肉注射
1回
皮下注射
対象者 満50歳以上の方
帯状疱疹の予防効果 約90~97% 約50~70%
帯状疱疹後神経痛の予防効果 約85~100% 約66%
効果の持続期間 10年前後持続することが現時点で判明している 5年程度
8年で効果減弱の報告
副反応 比較的多い (注射部位の疼痛・発赤など) 比較的少ない
当院での価格 1回21,000円 ×2 7,200円 ×1

ページの先頭へ移動