異常子宮出血（AUB：abnormal uterine bleeding）とは「妊娠性出血や腟、子宮腟部からの出血を含まない、子宮内腔および頸管からの標準的な月経以外の出血」と定義されています。端的に言えば、通常の月経や妊娠以外の子宮からの出血のことです。標準的な月経とは、周期が24～38日、期間が8日以下、7～9日以内の周期変動、量は患者主観で標準などとされています。その中で、よく見られる異常出血には、標準より量が多い「過多月経」、期間が長い「過長月経」、周期が短い「頻発月経」などがあります。女性の３分の１が一生のうちに一度はAUB を経験するとされ、思春期と50才台で多いとされています。

器質性疾患は、①内膜ポリープ、②子宮腺筋症、③子宮筋腫、④子宮悪性腫瘍と内膜増殖症です。いずれも子宮がん検診や画像診断（超音波検査、MRIなど）で診断することができます。
非器質性疾患は、①血液凝固障害、②排卵障害、③子宮内膜機能異常（内膜剥離）などです。血液凝固系検査や女性ホルモン検査、基礎体温測定などを行います。

それぞれの疾患に対して治療します。すなわち、止血剤、女性ホルモン製剤（低用量エストロゲン・プロゲステロン配合剤、黄体ホルモン製剤、レボノルゲストレル子宮内放出システム（LNG-IUS））、偽閉経療法、手術（子宮内膜掻把術、子宮内膜アブレーション、子宮摘出術）などです。