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当院で取り扱っている疾患と治療

当院で採用している多焦点眼内レンズ【回折型多焦点眼内レンズ】

 

名称 Tecnisシリーズ
(AMO)
AcrysofIQシリーズ(Alcon)
PanOptics
FineVisionHP
(BVI)
Tecnisシリーズ
(AMO) ReSTOREシリーズ
(Alcon) Finevision
(Physiol)
回折デザイン Full Diffractive
Non Apodised
Not Full Diffractive
(周辺部は遠方単焦点)
NonApodised
Full Diffractive
Apodised
3焦点
近方加入度数 +4.0(近方30cm)
+3.25(近方40cm)
+1.5(Symphony:近方70cm)
3焦点
+3.25/+2.17(近方40cm/中間60cm)
3焦点
+3.5/+1.75(近方30cm/中間70cm)
適応制度 選定療養対象 選定療養対象 選定療養対象
 
TECNIS multifocal(テクニスマルチフォーカル:2焦点、テクニスシナジー:3焦点/AMO社)

AMO社製の回折型多焦点眼内レンズです。アクリル製非球面透明レンズです。遠方ともうひとつの焦点をどのあたりにするかで複数のデザインがあり、個人の生活スタイルやご希望などから選びます。
近くの距離は30cm、40cmの近くを重視したテクニスマルチフォーカルシリーズ、中間70cmにピントがあるテクニスシンフォニーシリーズがあります。3焦点のテクニスシナジーは、3つの焦点(遠方、中間70cm、近方40cm)があります。
屈折型のものは、どのタイプでも夜間はグレア・ハロー現象が強めです。
選定療養対象レンズです。

 

Acysof IQシリーズ(PanOptics パンオプティクス:3焦点/Alcon社)

アルコン社製の回折型多焦点眼内レンズです。
PanOpticsは、3つの焦点(遠方・中間60cm・近方40cm)があります。日常よく使う焦点距離に合わせた3焦点レンズです。レンズの中央付近のみ回折構造があり、周辺にはありません。瞳孔が開く夜間は、遠方優位になります。グレア・ハロー現象はります。
選定療養対象レンズです。

 

FineVisionHP(ファインビジョンHP:3焦点/BVI社)

PhysIOL社製の3焦点回折型多焦点眼内レンズです。
4本の支持部があり眼内固定がよく、レンズの偏位傾斜が起こりにくいデザインです。
3焦点回折構造をレンズの全面に用いているため、遠・中70cm・近方30cmの焦点にピントが合い、遠くから手元までバランスよく見ることができます。
グレア・ハロー現象といった夜間の見えにくさも発生しにくくなっています。
選定療養対象レンズです。

 

当院で採用している多焦点眼内レンズ【屈折型多焦点眼内レンズ】

 

名称 Tecnis Eyhance
(AMO)
Clareon Vivity(Alcon)
   
屈折デザイン 中央に同数加入 中央に度数加入
近方加入度数 近方70cm 近方70cm
適応制度 保険適応 選定療養対象

 

TECNIS Eyehans(テクニスアイハンス:2焦点EDOF(屈折遠中2焦点/AMO社)

屈折型タイプのEDOFレンズです。
レンズの中央に中間ピントの度数があり、単焦点レンズに比較すると遠くの見え方が少し甘くなりますが、その分中間にピントがあり、運転時にカーナビなどがみやすくなっています。屈折型のため、グレアー・ハローは少ないレンズです。手元は見えないので、近見用眼鏡が必要になります。
​このレンズは保険診療で挿入可能です。

Clareon Vivity(クラレオンヴィヴィティ:2焦点EDOF(屈折遠中2焦点/Alcon社)

屈折型タイプのEDOFレンズです。
レンズの中央に中間ピントの度数があり、単焦点レンズに比較すると遠くの見え方が少し甘くなりますが、その分中間にピントがあり、運転時にカーナビなどがみやすくなっています。屈折型のため、グレアー・ハローは少ないレンズです。手元は見えないので、近見用眼鏡が必要になります。
​このレンズは保険診療で挿入可能です。

 

当院で採用している多焦点眼内レンズ【その他】

 

名称 追加型多焦点レンズ
(アドオンレンズ)
   
     
屈折デザイン 既に眼内レンズが挿入されている方に挿入する、追加型のアドオンレンズ。2焦点・3焦点タイプあり。
回折型でグレア・ハロー現象あり。
   
適応制度 自由診療    

 

挿入方法について

 2焦点眼内レンズは一般的には両眼に同じタイプのレンズを挿入します。その場合、遠方と手元が見えますが、3焦点眼内レンズとは異なり、中間距離はピントがボケてしまいます。また近方距離も規定の距離に限定されます。この対策として、近方視幅を広げるために左右で異なる近見加入度数の多焦点レンズを挿入するブレンドビジョン法という方法があります。
また、両眼に2焦点眼内レンズ、3焦点眼内レンズを挿入した場合、夜間に光がはじけたように見える「グレア・ハロー」という現象が発生します。その現象を軽減するために、夜間の運転などを重視される方には、優位眼に単焦点眼内レンズ、非優位眼に多焦点眼内レンズを挿入するハイブリッドモノビジョン法が適しています。

ご興味のある方は、医師にご相談ください。

 

選定療養とは

厚生労働省の通達により2020年4月より、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は保険診療+選定療養として行われることが決定しました。

白内障手術における技術料は健康保険で行い、健康保険のきかない多焦点眼内レンズ代については自由診療で行う、というものです。

多焦点眼内レンズの費用はスタッフにお尋ねください。

 

関連論文(当院医師執筆)

2019年4月 日本眼科手術学会誌No.2 2019 Vol.32「多焦点眼内レンズ挿入眼の硝子体手術」(森井眼科部長)

2018年7月 日本眼科手術学会誌No.3 2018 Vol.31「3焦点眼内レンズ」(森井眼科部長)

 

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